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2006.05.02

天皇賞春回顧 日本競馬史上に最強馬誕生す

「ゆっくり上って、ゆっくり下れ」誰もが知っている淀の坂越えの掟。今年の春の天皇賞でディープインパクト日本競馬史上最強であることを証明したのは、このセオリーを完全に無視しながらレコードタイム、3分14秒4で優勝したことに尽きる。かつて、ミスターシービーは菊花賞で最後方から20頭をゴボウ抜きにして 4角先頭の競馬をして驚かせたが、ディープは戦術的に仕掛けたというより自然と馬のリズムで走らせた結果であり、また時計的に裏付けがある点で大きく異なっている。ナリタセンチュリーの田島裕和は淀の坂越えについて、下記のように語っていた。

私が騎手になって初めて淀の坂越えを経験した時の思いは、3コーナーから一気に下ってる感じで、それにコーナーも急な感じがして外に膨れると思ったもんです。手応えのない馬でも下りでは一気に下がって行きますので手応えがあると思い錯覚もしました。また外回りの4コーナーもかなり急ですので気をつけないと外に膨れてしまいます。…きつい4コーナーをインぴったり回ると馬のスピードが落ち、外を回り過ぎるとコースロスします。(tajihiro HP)

ディープは坂の上りから一気に上がっていったが、並の一流馬なら負けパターンだ。 2着リンカーンの横山典はディープについて「早めに動いてくれたし、そうなればいいという思った通りになった」とコメントしている。というのも、ディープが仕掛ける手前、2200メートルの通過は2分15秒9。これは不滅のレコードと言われた97年の天皇賞春と同じラップだ。この年の優勝馬、マヤノトップガンは後方待機の死んだふりでサクラローレルらを直線で差しきった。ところが、ディープは件のロングスパートでトップガンより1秒も早くゴールしたのである。

上がり4ハロン44秒8【11.3-11.0-11.2-11.3】も驚異的。11秒台が連続して刻まれた年もあるが、スローペースだったり、どこかで11秒後半が入ってくるのが常だ。これほどスタミナを要す流れになったにも関わらず、最後まで垂れることなく走り抜ければ、過去のどんな名馬が束になっても交わすことはできなかっただろう。「世界にこれより強い馬がいるのか」という武豊の発言は本心に違いない。私は今まで3200なら全盛期のメジロマックイーンのほうが強いのではないかと思っていたが、今回のパフォーマンスで認識を改めねばならなくなった。

ディープにとってベストディスタンスは3200より2400の方が近いのは自他ともに認めるところ。この次はキングジョージ凱旋門賞ということになるのだろうが、環境に適応し調整が上手く行けば、ハリケーンラン、エレクトロキューショニストらを負かすことは決して夢物語にはなるまい。むしろ、いちばんの難敵は"逃げ馬"ハーツクライかもしれないが。クラシック三冠を獲り、天皇賞をレコード勝ちして海外挑戦とは、ゲームの世界の最強馬のようだ。それが日本人の描く最強馬の理想のイメージであるならば、この不世出の名馬を遺したサンデーサイレンスにも、やはり感謝せねばなるまい。

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コメント

個人的希望としてはキングジョージをハーツクライにまかせてディープインパクトには凱旋門賞とBCターフにいってもらいたいです。おそらく今年を逃したら向こう10年はこんなチャンス巡ってこない気がしますから。

投稿: スイフトセイダイ | 2006.05.02 17:54

ハーツとの2頭出しは確かにもったいない気もしますね。獲らぬなんとかですが。エルコンのように滞在してほしい気も。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2006.05.03 00:25

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