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2006年5月の17件の記事

2006.05.30

ダービー回顧 地味なコンビが二冠を完勝

メイショウサムソンと石橋守が二冠を達成した。小倉デビュー、オペラハウス産駒ということで地味なイメージが強かったが、終わってみれば二冠とも完勝だった。内で先行する馬が有利な馬場はダービーでも変わらず、例年以上に自在性、先行力、折り合いの良さなどが勝負に大きなアドバンテージになったのではないだろうか。もちろん、メイショウサムソンはどんな状況でも勝ち負けできる実力馬であったことには違いないのだが。

逃げたアドマイヤメインがクビ差の2着。レースは1000メートル1分2秒5というダービーには珍しいスローとなったが、ハナを主張して蓋をした柴田善臣は理想的な競馬をさせたと思う。惜しむらくは馬場が重くて、後続を引き離すような逃げにならなかったこと。パンパン馬場で時計勝負であれば、どうだっただろうか。ドリームパスポートは後方12番手から差して3着。きさらぎ賞、スプリングS、皐月賞はハイレベルだった。勝ち運はないが、いずれGⅠを獲れる器だ。

翻って、クラシック戦線の王道で人気を担ってきたアドマイヤムーン、フサイチリシャール、サクラメガワンダー、フサイチジャンクは完敗だった。馬場が向かなかったことはあるが、ファンやマスコミの評価ほど力がなかったのかもしれない。唯一の関東馬、ジャリスコライトも14着と大敗してしまった。こちらはレベル云々の前に調子が戻らなかった。今年もディープインパクトに続いてトリプルクラウンの可能性が残された。メイショウサムソンには無事に夏を越してもらいたい。

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2006.05.28

最終レース・目黒記念 ポップロックの勢い買う 

今日は競馬の祭典、日本ダービー。予想のほうは「今週のデータ解析」をご覧いただければと思うが、今年はダービー当日の最終レースに目黒記念を施行する新たな取り組みが行われる。ダービーは観ている側も終わると疲れが一気に押し寄せるほどエネルギーを消費するもの。果たして17時発走の目黒記念が盛り上がるのか否か、注目してみたいところ。なお、ダービーは10レース、目黒記念は12レースなので買い間違えのなきよう。

その目黒記念は3連勝中のポップロックを狙ってみたい。前走の1000万特別(2400メートル)は、重馬場で1秒差をつけて圧勝。しかも、58キロを背負っていた点を評価したい。格上挑戦の今回は見込まれたとは言え、54キロの恵量ハンデ。馬場が悪そうな府中で先行力も大きな武器になる。追い切りはステーブルメイトのハットトリック相手に脚色優勢でフィニッシュ。勢いを買いたい。

◎ポップロック ○トウショウナイト ▲トウカイトリック
△アイポッパー、トリリオンカット、ホオキパウェーブ、グレートボヤージュ

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2006.05.25

トーホウアラン ゲルマニウムパワー注入中!

去年のダービーではアドマイヤフジがチタン製の馬服を使用していたことが、東京スポーツで報じられて話題になった。繊維と違ってチタンは熱を吸収しやすく保温性が高い。そのため、血行が促進されて、疲労回復や運動能力の向上につながるのだということだった。効果があったのだろうか、アドマイヤフジはダービーで4着に健闘した。今年、またもや東京スポーツによれば、トレンドはゲルマニウムなのだという。

すぐに思い浮かぶのが温浴だが、これはゲルマニウムを粉末状にして入れると、代謝や血行が良くなるというもの。そして、ゲルマニウムを繊維の中に織り込んだバンテージ=ゲルマーパットだという。疲労回復やコズミを取るのに効果的だそうで、藤原英厩舎が積極的に使用している。ゲルマーパットで馬がグンと良くなったのがトーホウアラン。体質が強化され4月から坂路入りできるようになったとか。ダービーでのゲルマニウムパワーや如何に…。

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2006.05.23

オークス回顧 データ覆したカワカミプリンセス

今年のオークスはデータ派には全くかすりもしないレースになったのではないだろうか。勝ったのはスイートピーSまで3連勝していたカワカミプリンセス。これまでスイートピーSは入着さえない用なしのトライアルで、強い内容ではあったが手を出す気にはなれなかった。父は高松宮記念馬のキングヘイローだが、もともとスプリント戦を勝つこと事態が驚きの血統だったわけで、種牡馬としてスタミナ豊富な馬を出すことは不思議ではない。

例年、初めての2400メートルということで、オークスはスローになる傾向が強い。ところが、今年はヤマニンファビュルが大逃げを打ち、アサヒライジングが早めに捕まえに行ったお陰で、希に見るハイペースに陥った。1000メートル58秒1。その結果、瞬発力勝負に持ち込みたかったアドマイヤキッスキストゥヘヴンあたりは末をなくしてしまうことになった。かかり癖のあるフサイチパンドラが折り合いを欠くことなく2着に残れたのも納得だ。

カワカミプリンセスは西浦厩舎本田優騎手。テイエムオーシャンと同じ、地味だが燻し銀のコンビだ。オーナーブリーダーは三石川上牧場。遅生まれで売れ残った馬が無敗でオークスを制したのだから、喜びもひとしおだろう。幸いにも競走中止のコイウタは右肩ハ行で大事には至らなかった。今週はダービー。Cコースになっても内有利は変わりないようで、アサヒライジングを3着に粘らせた柴田善アドマイヤメインでどのようなレースをするのか、非常に気になるところだ。

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2006.05.22

赤本まつりレポート SSなきPOGをどう戦うか

20日、毎年恒例の赤本まつりがプラザエクウス渋谷で開かれた。赤本とは 『POGの達人 ペーパーオーナーゲーム完全攻略ガイド』 のこと。この本をテキストにしながら、デビュー前の2歳馬を徹底検証してしまうのが赤本まつりだ。執筆陣のキルトクール隊長・須田鷹雄、廃競馬場巡礼・浅野靖典が司会を務め、世界の合田直弘、セクシー番長・目黒貴子がゲスト参加する形で進められた。ギャラリーは例年より多く200人を超えた模様。20分ほど前に到着した私は席がなかった。今年はサンデー不在のPOGということで、拠り所になる情報を得たいという心理が働いたのだろうか。

盛況だった赤本まつり。即売会も完売… 赤本と参加者に配られた執筆陣カラノテガミ

まずは評判馬から。4億9000万円で落札されたフサイチタツノリ(改名前・母エアグルーヴ)については、「3-4月に楽をさせていた。SSの成長力がダンスインザダークにあるのか」との辛め評価。アドマイヤオーラ(Aタキオン×ビワハイジ)は「馬体は大きくない。ノーザンFで1F14-15秒やっている早い組」、ザレマ(DD×シェンク)は「馬は非常に良いが名前が…」、アステリオン(フレンチD×フサイチエアデール)は「安全牌。負けたくない人は取って」とのこと。社台Fの一番馬と言われているがグレインアート(スペ×ミルグレイン)。早生まれ(1月)がアドバンテージになる。

日高勢では下河辺のジョーネンボー(スペ×パンドラロード)の名前が挙がった。札幌デビューの予定で確実性あるタイプ。ハギノルチェーレ(DD×フランカ)はマジックアワーの下。非常に順調で、ノースヒルズの期待馬だ。母リスクフローラ(スペ)は母系は短距離ながら、北海道デビューで札幌2歳Sは距離も持ちそう。生産は社台Fだが2億円で岡田繁幸が競り落としたのがパリスフレンズ(DD×サトルチェンジ)。岡田総帥曰く「普通の馬。やっちゃった」。外国産馬では120万ドルの母PearShape(インディアンチャーリー)の仕上がりが早い。 100万ドルの母Pullsatilla(ダイナフォーマー)は時間がかかりそう。etc…。

この他、覚えておきたい事柄をメモ。社台FとノーザンFの大きな違いは屋根付きの馬場の有無。あるのがノーザンF。この冬は天候が悪かった。SS以外の産駒で稼いでいる厩舎は、1頭当たりの賞金順に松田国-藤沢和-山内-伊藤雄-瀬戸口。但し、藤沢は2勝止まりが多い。同じくオーナー別では金子真人HD-大城敬三(ダイワ)-谷水雄三(タニノ)-久保久人(ホーマン)-斎藤四方司。やはり金子馬最強か。リストにない母トゥザヴィクトリー、母フェアリードールについては「います。乗ってもいます」ぐらい。「なぜ関東馬は弱いの?」との問いは「組合の問題」と世界の人が一言。今年のまつりレポは以上。

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2006.05.21

一般社会における競馬の認識

Photo

一般社会における競馬の認識って、その程度だよなぁと思う時がありますよね。駅のキヨスクの札も、そんなことを感じさせる一品。昔から気になってたのだけれど、きょう携帯で撮影してみました。ちなみに国営競馬が日本中央競馬会になったのは1954年。JRAという略称になったのは1987年。それ以前はNCK(Nippon Chuo Keibakai)でした。もちろん、このラミネート加工された札ができたのは、ここ数年だと思います。

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2006.05.20

白熱リーディング争い! 内田博VS柴田善

先週、4勝の固め打ちで42勝とし、関東リーディングトップに立った内田博幸。関東地方という括りで見れば、中央、大井、川崎、船橋、浦和のすべてでリーディングとなり、瞬間的にではあるにせよ前人未踏の完全制覇を達成したことになる。中央の勝率18.7%は武豊に次ぐものであり、連対率28.9%も武豊、横山典に迫る3位につけている。今や敵は武豊だけか? ウチパク旋風は今週も止まらない。

1位の座を奪われた騎手会長、柴田善臣は内田博と1勝差。成績の中身は内田博の【42-23-19】に対して、柴田善は【41-33-32】であり、 1着に馬を持ってくる技術は内田博の方が優れていると言えよう。もちろん、内田博は全開催日に参戦できず、騎乗数は圧倒的に柴田善が多いのだから、関東リーディングはハンデ戦のようなものだ。だからこそ、逆転された柴田善にも奮起を促したい。

今週、内田博の騎乗は土曜日だけ。参戦するのは計10レース。うち7レースで柴田善と直接対決がある。ノッケの1レースは内田博が前走3着のデアリングワールド、柴田善が初出走デヘア産駒のユーワシャルム。人気は拮抗か。 10レースは内田博ゼンノスピリッツ、柴田善トウカイトニー。ともに先行タイプの実力馬だけに両者の手綱さばきは見物だ。ふたりのリーディング・デッドーヒートを楽しもう。

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2006.05.15

ヴィクトリアマイル回顧 光る北村宏の好騎乗

ヴィクトリアマイルの初代女王の座を射止めたのはダンスインザムード。桜花賞勝ちのほか、アメリカンオークス、天皇賞秋、マイルCSで2着のある馬。 4歳時は不振に喘いだが、昨秋は天皇賞、マイルCSで3、4着と復調しており、同性相手なら実力は上だった。その上で、北村宏の好騎乗が優勝に導いた。 1番枠から好発後、圧倒的に有利な内に張り付き、直線もギリギリ残り150あたりまで追い出しを我慢。北村宏はデビュー8年目にして初GⅠ制覇。藤沢厩舎で地道に努力を重ねてきた甲斐があった。関東のホープとして、この勝利を飛躍へのきっかけにしてほしい。

2着は武豊エアメサイア。大外18番枠ということで連下まで印を下げたが、さすがにユタカといったところか。ダンスを本命にしながら、ガミった私は馬券下手だ。「1番と18番の枠が逆なら結果も逆だと思う」というのも、負け惜しみではないだろう。最後の伸びは素晴らしかった。枠順抽選で勝負あった。 1番人気のラインクラフトは良いところなく9着。初めて掲示板を外した。中間、カイ食いが落ちたと報じられたようだが、高松宮記念、阪神牝馬Sと使って調子が落ちていたのだろう。結果論だが、阪神牝馬Sの一戦は余計だった。ここを狙っていたのであれば、陣営の戦略の失敗。

レース後、気になる事件も起きた。オーゴンサンデーを出走させた谷原義明師が検量室前で同馬に騎乗した後藤に対して粗暴行為を働き、過怠金10万円の制裁を科されたというのだ。オーゴンサンデーは7歳。今年2月のニューイヤーSで2着に好走したため、引退の予定を撤回して現役を続行していた。後藤は3年前のオーロCで同馬を2着に持ってきたことがある。今回は追い込み脚質とは裏腹に、先団につける積極的な競馬させている。下種の勘繰りだが、指示通りの騎乗ではないと谷原師は怒ったのではないか。ちなみにニューイヤーSで同馬の手綱を取ったのは吉田豊。狭い厩舎社会とはいえ、不思議な因果ではある。

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2006.05.14

大金星コスモバルク 地方馬初の海外GⅠ制覇

14日夜、シンガポール・クランジ競馬場で行われた国際GⅠ、シンガポール・エアラインズ・インターナショナル・カップ(芝2000メートル)は、ホッカイドウ競馬所属・コスモバルク(田部和則厩舎)が優勝した。鞍上は五十嵐冬樹。地方競馬所属の馬、ジョッキーとも海外GⅠ制覇は史上初めてとなる。

レースの主導権を握ったのはヴルームヴルーム(豪)。 1番枠のコスモバルクは2番手につけ追走。 4角で外を回すと、直線半ばでは先頭に立ち、そのまま後続を寄せ付けずにゴールした。五十嵐は馬上で腕を突き上げて喜びを表わした。勝ちタイムは2分6秒56。 2着は地元のキングアンドキング。高岡秀行師(元・道営)のダイヤモンドダストは5着。

コスモバルクの勝利は一昨年のセントライト記念となるが、長い長いトンネルを抜けたようで陣営の嬉しさもひとしおだろう。今回は折り合いも欠くことなく、2番手から理想の競馬ができた。こういうパターンになれば、この馬は強い。やはり距離も2000メートルあたりがベスト。今度はGⅠホースとして、宝塚記念を沸かせてほしい。

>>レース映像(YouTube)

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2006.05.13

京王杯SC データはグレイトジャーニーを指名

ヴィクトリアマイルの新設で土曜のメインレースに逆戻りした京王杯SC。今年はデータ解析の対象から外れてしまったが、去年までのデータを基に勝ち馬を探ってみたい。まずは消去データから。

①前走GⅢ以下で着外だった馬、 ②前走非重賞戦に出走していた6歳以上馬、 ③前走非重賞戦組は1番人気で連対していたことが必要、 ④前走で重賞連対していた馬を除く7歳以上馬、 ⑤前走、斤量が牡馬54㌔、牝馬52㌔以下で未連対だった馬、 ⑥前2走とも1200㍍以下で敗退していた馬(GⅠ馬・外国馬を除く) 、⑦年明け2戦以上して未連対の馬(GⅠ馬を除く) 、⑧マイル戦未勝利馬(外国馬を除く)、 ⑨休養明け馬(GⅠ馬を除く)、 ⑩GⅠ連対経験のない牝馬、 ⑪東京芝コースで2走以上して3着以内のない馬

以上の項目を完全にクリアしたのはグレイトジャーニー、テレグノシス、オレハマッテルゼの3頭になる。ネイティヴハート、インセンティブガイ、フジサイレンスが減点1で続く。続いて好走データは①前走芝マイル戦連対馬。穴データは②前走3着以内かつ重賞勝ちのある6歳以上馬。該当するのはグレイトジャーニー、フジサイレンス、オレハマッテルゼ

03年、04年に勝ち馬を輩出しているダービー卿CT組が狙い目。今年の勝ち馬は佐藤哲グレイトジャーニー。スローな流れを上がり33秒2で差しきっており、本格化の印象もある。距離短縮も府中では不安材料にならず、軸馬として指名したい。 BMSはミスタープロスペクターなら、むしろ一層の切れ味を発揮できるかもしれない。相手は高松宮記念を勝ったオレハマッテルゼ、府中の鬼テレグノシスら。

◎グレイトジャーニー ○オレハマッテルゼ ▲テレグノシス
△インセンティブガイ、フジサイレンス、シンボリグラン、ネイティヴハート

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2006.05.09

大混戦の日本ダービー 1番人気馬は?

京都新聞杯、プリンシパルSの勝ち馬も決まり、日本ダービーの出走馬の顔ぶれもほぼ揃った。ダービーは黙って1番人気から買えばいいと言われているレース。過去15年、連を外した1番人気馬は1頭だけ。97年のメジロブライトだ。大概、ダービーで1番人気に推される馬は、皐月賞が終われば予想がつくものだが、大混戦の今年はすべてのトライアルが終わっても、核となる馬が見えてこない。

前評判が高いのは皐月賞3着フサイチジャンク(岩田)か。府中替りが好材料なのは間違いなく、底を見せていない点では一番だ。切れ味という点では心許ないが。皐月賞1着メイショウサムソン(石橋守)は血統と騎手の地味さで、まず1番人気にはならなさそう。皐月賞を先行して押し切ったセイウンスカイイシノサンデーとイメージが重なるのもマイナス。実はサニーブライアンだったというオチも考えられなくもないが。

意外にも武豊は青葉賞を楽勝したアドマイヤメインではなく、アドマイヤムーンをチョイスした。この選択でムーンの1番人気もあり得るか。同馬主だけに乗り替わりは気兼ねなくできるものと思っていたが、名手はムーンの方がチャンスが大きいと判断したのだろうか。距離延長を不安視する声もあるが、弥生賞勝ち→皐月賞惜敗→ダービー優勝は一昔前の王道ライン。ロジックの騎乗を見ると、やはり府中の武豊は外せない。

一方、アドマイヤメインには柴田善臣が決まった。この馬らしい大逃げを打てるかどうか、騎手会長の手綱さばきは見物のひとつ。京都新聞杯を一叩きしたマルカシェンクは福永。この馬は相当、強い。そろそろ福永にもダービージョッキーの称号が与えられる頃か。騎手だけの魅力で言えば、サクラメガワンダーも挙げずにはいられない。関東リーディングを脅かす内田博幸。大舞台で何もしないことはあるまい。

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2006.05.08

NHKマイルC回顧 ロジックのある騎手、ない騎手

すっかり勝負付けが終わったと思っていたロジック。調子は良かったのだろうが、決して馬が急に強くなったわけではない。重圧をはね除けた春の天皇賞の会心の騎乗とは裏腹に、今度は「嬉しい誤算」というほどの無欲の騎乗でユタカマジックが炸裂したのだ。勝負のポイントは4コーナー。小雨の府中の直線は排水溝の関係で、内側から乾いていくことは良く知られている。だから、武豊は内に馬を突っ込ませた。勝利のロジックを熟知しているが故の判断だった。

競り合いに負けた2着のファイングレインも内を回したクチ。ハイペースでも先行して粘れるだけの馬場差のアドバンテージがあった。横山典のGⅠでの天才的な2ゲッターぶりも、すっかり忘れていた。 3着キンシャサノキセキはパンパンの良馬場向きで、内外と離れていたため抜け出してソラを使ってしまったのも痛かった。 4着に府中向きの差し脚を持つアポロノサトリ、 5着にマイラーとしての資質が高いドラゴンウェルズが入線した。 終わってみれば、掲示板の1、2、4、5着がニュージーランドT組。今年は相対的にレベルが高かったということなのだろう。

ところが、NZTを楽勝したはずのマイネルスケルツィだけが10着と大敗してしまった。敗因は明らか。馬場のせいでも調子落ちでもない。出負けを焦って、もっとも流れが速くなる2ハロン目で慌てて先団に取り付いたのが決定的だった。お陰で馬は折り合いを欠いて脚をなくしてしまった。本来なら最内枠だったのだから、先行でも差しでもグリーンベルトで脚を溜めるべきではなかったか。鞍上の柴田善のリーディングジョッキーとは思えない騎乗ぶりだった。武豊と違って騎乗にロジックがない。だから、馬券を買ったファンは納得ができずに後味が悪くなる。

ところで気になる関東リーディングだが、内田博幸は日曜日には参戦しなかったため、柴田善がトップを守っている。しかし、土曜日には瞬間風速的に内田博が1位になる場面も見られた。ということは、中央の関東と地方の南関東で同時にトップに立ったことになる。武豊が天才といえど、真似のできない記録だ。日曜の最終レース、柴田善は完璧な騎乗で先に抜けていた武豊の馬を差しきった。あれぐらい落ち着いた乗り方を大レースでしなければ、関東リーディングの座は地方騎手の手に落ちるだろう。スケルツィの敗戦を柴田善は次に活かしてほしい。

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2006.05.06

『海外競馬 完全読本』 読み物として楽しめるビギナー書

楽にブラッドホースでも読むことができるファンは別にして、私のような語学に疎い人間にとって、海外の競馬事情を理解するのは難しい。だが、今は日本馬がヨーロッパ、アメリカはもちろん、ドバイ、香港、シンガポール、オーストラリアなど世界各地に足を伸ばす時代になった。片や、外国馬もジャパンカップ以外のレースに来日するのも珍しくなくない。各国のレース体系やレースレベル、流行の血統など、最新の事情をまとめてくれるビギナー書があったらと願っていた。そうした期待に見事に応えてくれたのが4月に発刊された 『海外競馬 完全読本2006-2007』(東邦出版)だ。

欧州、北米、南米、オセアニア、アジア、アフリカと、ほぼ世界の競馬を網羅している。 2歳、3歳、古馬のカテゴリーに分けられた主要レース体系の表は非常に分かりやすい。例えば、欧州古馬のマイル路線を見ると、 4月のミュゲ賞(仏)から10月のヴィットリオディカプア賞(伊)まで、どのようにレースが進行していくのか一目瞭然だ。各地域の基礎情報も知らないことばかり。南米は国際交流が盛んで、「アルゼンチン・ウルグアイ・ブラジル・ペルーの4ヵ国で、古馬の主要競走をまとめて行うイベント、国際フェスタ」が中軸になっていることなど初耳だった。 危機的状況のジンバブエなど、アフリカの政治情勢と競馬の関係も興味深い。

石川ワタルが担当する「海外競馬トップホースマン名鑑」も役に立つ。エリザベス女王(英・馬主)、エイダン・オブライエン(愛・調教師)からゲーリー・タナカ(米・馬主)、ウェイチョン・マーウィング(南ア・騎手)まで、一度は目にしたことのあるホースマンの人物解説が100人以上も収められている。凱旋門賞馬ハリケーンランを操るキーレン・ファロン騎手は「94年9月、ゴール入線後にS・ウェブスター騎手を馬から引きずり落とす事件を起こし半年の騎乗停止処分。…99年にセシル夫人でモデル出身のナタリーさんとの"不適切な関係"をマスコミで取りざたされ、セシル厩舎を離れる」と驚くようなエピソードもあり、読み物としても面白い。

これから海外競馬に行こうというファンも必携だ。同じ競馬といえど、馬場状態や距離の単位、馬券の種類も千差万別。この春、私は初めてサンタアニタ競馬場を訪れたが、「3-1」「5-2」といったオッズ表示には戸惑った。日本式に直すには「左の数字と右の数字を足し、右の数字で割ればいい」とは、あらかじめ知っておきたかったこと。レース用語も「Make A Move」が仕掛ける、「No Room To Run」が前が開かないなど、頭に入れておけば実況も楽しめる。じっくり読み込んで海外競馬のイメージを膨らませて、ディープインパクト、ハーツクライの遠征を見に行けたら最高だ。

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2006.05.05

だって地方馬ナンバーワンだもの byミツオ

ゴールデンウィークも中盤。天候にも恵まれ、連休を満喫されている方々も多いのではないでしょうか。ここの管理人と言えば、連休どころか土日の休みもなく、貧乏暇なし、働き続ける日々。このほとんどがサービス残業なのだから、外国人から何千億円も集めて鉄道会社を買える勝ち組は羨ましい。まあ、浮浪者にはなっても、あそこまで金に魂は売りたくないですが。不景気な愚痴で始まって失礼しました。

端午の節句に船橋で行われるのは統一GⅠかしわ記念。千葉県に昭和25年まであった柏競馬場(現・豊四季台団地)を記念したレースだ。中心は地元・船橋のアジュディミツオー。前走のマイルGはレコードで1秒差の圧勝だった。芝からのスタートだった府中マイル戦は苦手でも、ホームグラウンドなら話は別。中央の関東リーディングでトップタイの36勝をあげた内田博幸がヘぐるシーンはイメージできない。

相手は中央勢。フェブラリーSで4着に好走したブルーコンコルドが強敵だ。前走の黒船賞は59キロを背負いながら1.2秒差の大差勝ち。 2着は3日のかきつばた記念を制したロッキーアピールだった。配当が許すなら、3連単は1、2着にミツオとブルーの2頭をマークして流したい。 3着候補は左回り歓迎のサカラート。名古屋大賞典を勝った復調ドンクール、楽に逃げれば石崎パパのナイキアディライトまで。他の南関東勢、東海勢は分が悪い。

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2006.05.04

GⅠ完全制覇 サンデー産駒のラストチャンス

先週の天皇賞で1着から3着までを独占したサンデーサイレンス産駒。通算重賞勝利数、年間最多勝利数、年間最多獲得賞金、通算クラシック勝利数などなど、サンデーサイレンスは死後も恐るべき記録を更新しつづけている。その偉大なサイアーだからこそ目指せると言われたのが中央GⅠ完全制覇。未だサンデーサイレンス産駒が手にしていないのは、安田記念、JCダート、ヴィクトリアマイル、NHKマイルカップ4つ。今年の3歳世代がラストクロップになるサンデーにとって、今週のNHKマイルは偉業達成の最後のチャンスになる。

去年はデアリングハートが2着、ペールギュントが4着だったが、あとは99年にロサードが9着だったぐらいで、どうも府中マイルとは安田記念も含めて波長が合わないのかもしれない。今年はダイアモンドヘッドモエレソーブラッズの2頭が出走予定。ダイアはレベルの高かったデイリー杯でマルカシェンクの2着に来た馬で、リズムに乗れなかった皐月賞15着からの参戦。モエレはスプリングSで皐月賞馬メイショウサムソンからコンマ9秒差だった。 2頭とも人気薄だが、サンデーの底力であっと言わせて記録に望みをつなぐことができるか。

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2006.05.03

ユートピア ゴドルフィン所属でBCマイル挑戦

先月、ドバイミーティングでゴドルフィンマイルを制したユートピアが、シェイク・モハメド殿下率いるゴドルフィンに400万ドル(約4億5000万円) で売却されることが、管理する橋口師から発表された。現役GⅠ馬の海外移籍は初めてのことで、ユートピアはゴドルフィン所属馬として11月の米ブリーダーズカップマイルをめざす。 30日にはゴドルフィンの拠点のある英・ニューマーケットへ向けて成田を飛び立つ予定だ。

ユートピアは02年から全日本2歳優駿、ダービーGP、南部杯連覇と4年連続GⅠ制覇の偉業を成し遂げている。コンスタントにダート戦線で活躍しているものの、国内では中央GⅠは手が届かなかっただけに一流半的な評価に留まっていた。しかし、ゴドルフィンマイルの逃げ切り楽勝は海外のホースマンには高く評価されたようだ。また、血統的な魅力も備えており、アメリカからも種牡馬としてオファーがあったという。

ユートピアの父は米最優秀2歳牡馬のフォーティナイナー(その父はミスタープロスペクター)。日本輸出後に米リーディングサイヤーに輝いた。母はノーザンテースト産駒のハニードリーマー、日本の生産界の屋台骨となっているノーザンテーストの血を海外に還元できるのは、生産者のノーザンファームとしても嬉しいだろう。今後は金子HDからロイヤルブルーの勝負服に変わって世界と戦うことになる。願わくば、BCマイルでブルーを身に纏った武豊が鞍上にいるシーンを見てみたい。

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2006.05.02

天皇賞春回顧 日本競馬史上に最強馬誕生す

「ゆっくり上って、ゆっくり下れ」誰もが知っている淀の坂越えの掟。今年の春の天皇賞でディープインパクト日本競馬史上最強であることを証明したのは、このセオリーを完全に無視しながらレコードタイム、3分14秒4で優勝したことに尽きる。かつて、ミスターシービーは菊花賞で最後方から20頭をゴボウ抜きにして 4角先頭の競馬をして驚かせたが、ディープは戦術的に仕掛けたというより自然と馬のリズムで走らせた結果であり、また時計的に裏付けがある点で大きく異なっている。ナリタセンチュリーの田島裕和は淀の坂越えについて、下記のように語っていた。

私が騎手になって初めて淀の坂越えを経験した時の思いは、3コーナーから一気に下ってる感じで、それにコーナーも急な感じがして外に膨れると思ったもんです。手応えのない馬でも下りでは一気に下がって行きますので手応えがあると思い錯覚もしました。また外回りの4コーナーもかなり急ですので気をつけないと外に膨れてしまいます。…きつい4コーナーをインぴったり回ると馬のスピードが落ち、外を回り過ぎるとコースロスします。(tajihiro HP)

ディープは坂の上りから一気に上がっていったが、並の一流馬なら負けパターンだ。 2着リンカーンの横山典はディープについて「早めに動いてくれたし、そうなればいいという思った通りになった」とコメントしている。というのも、ディープが仕掛ける手前、2200メートルの通過は2分15秒9。これは不滅のレコードと言われた97年の天皇賞春と同じラップだ。この年の優勝馬、マヤノトップガンは後方待機の死んだふりでサクラローレルらを直線で差しきった。ところが、ディープは件のロングスパートでトップガンより1秒も早くゴールしたのである。

上がり4ハロン44秒8【11.3-11.0-11.2-11.3】も驚異的。11秒台が連続して刻まれた年もあるが、スローペースだったり、どこかで11秒後半が入ってくるのが常だ。これほどスタミナを要す流れになったにも関わらず、最後まで垂れることなく走り抜ければ、過去のどんな名馬が束になっても交わすことはできなかっただろう。「世界にこれより強い馬がいるのか」という武豊の発言は本心に違いない。私は今まで3200なら全盛期のメジロマックイーンのほうが強いのではないかと思っていたが、今回のパフォーマンスで認識を改めねばならなくなった。

ディープにとってベストディスタンスは3200より2400の方が近いのは自他ともに認めるところ。この次はキングジョージ凱旋門賞ということになるのだろうが、環境に適応し調整が上手く行けば、ハリケーンラン、エレクトロキューショニストらを負かすことは決して夢物語にはなるまい。むしろ、いちばんの難敵は"逃げ馬"ハーツクライかもしれないが。クラシック三冠を獲り、天皇賞をレコード勝ちして海外挑戦とは、ゲームの世界の最強馬のようだ。それが日本人の描く最強馬の理想のイメージであるならば、この不世出の名馬を遺したサンデーサイレンスにも、やはり感謝せねばなるまい。

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