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2006.05.06

『海外競馬 完全読本』 読み物として楽しめるビギナー書

楽にブラッドホースでも読むことができるファンは別にして、私のような語学に疎い人間にとって、海外の競馬事情を理解するのは難しい。だが、今は日本馬がヨーロッパ、アメリカはもちろん、ドバイ、香港、シンガポール、オーストラリアなど世界各地に足を伸ばす時代になった。片や、外国馬もジャパンカップ以外のレースに来日するのも珍しくなくない。各国のレース体系やレースレベル、流行の血統など、最新の事情をまとめてくれるビギナー書があったらと願っていた。そうした期待に見事に応えてくれたのが4月に発刊された 『海外競馬 完全読本2006-2007』(東邦出版)だ。

欧州、北米、南米、オセアニア、アジア、アフリカと、ほぼ世界の競馬を網羅している。 2歳、3歳、古馬のカテゴリーに分けられた主要レース体系の表は非常に分かりやすい。例えば、欧州古馬のマイル路線を見ると、 4月のミュゲ賞(仏)から10月のヴィットリオディカプア賞(伊)まで、どのようにレースが進行していくのか一目瞭然だ。各地域の基礎情報も知らないことばかり。南米は国際交流が盛んで、「アルゼンチン・ウルグアイ・ブラジル・ペルーの4ヵ国で、古馬の主要競走をまとめて行うイベント、国際フェスタ」が中軸になっていることなど初耳だった。 危機的状況のジンバブエなど、アフリカの政治情勢と競馬の関係も興味深い。

石川ワタルが担当する「海外競馬トップホースマン名鑑」も役に立つ。エリザベス女王(英・馬主)、エイダン・オブライエン(愛・調教師)からゲーリー・タナカ(米・馬主)、ウェイチョン・マーウィング(南ア・騎手)まで、一度は目にしたことのあるホースマンの人物解説が100人以上も収められている。凱旋門賞馬ハリケーンランを操るキーレン・ファロン騎手は「94年9月、ゴール入線後にS・ウェブスター騎手を馬から引きずり落とす事件を起こし半年の騎乗停止処分。…99年にセシル夫人でモデル出身のナタリーさんとの"不適切な関係"をマスコミで取りざたされ、セシル厩舎を離れる」と驚くようなエピソードもあり、読み物としても面白い。

これから海外競馬に行こうというファンも必携だ。同じ競馬といえど、馬場状態や距離の単位、馬券の種類も千差万別。この春、私は初めてサンタアニタ競馬場を訪れたが、「3-1」「5-2」といったオッズ表示には戸惑った。日本式に直すには「左の数字と右の数字を足し、右の数字で割ればいい」とは、あらかじめ知っておきたかったこと。レース用語も「Make A Move」が仕掛ける、「No Room To Run」が前が開かないなど、頭に入れておけば実況も楽しめる。じっくり読み込んで海外競馬のイメージを膨らませて、ディープインパクト、ハーツクライの遠征を見に行けたら最高だ。

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