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2006.02.05

シービスケットの故郷 いざサンタアニタ競馬場へ

旅はふとしたきっかけさえなくても、始まることもある。遅い正月休みをもらうことになり、その3日前、シャッターの下りた旅行代理店でエイヤと手にしたのがロサンゼルス行きの航空券とホテルがセットになったツアーパンフレット。メジャーリーグやマリンスポーツのシーズンでもない。ましてネズミの国へ喜び勇んで独りで出かける酔狂でもない。何をしに行くんだよ? 自分でも分からないまま飛行機に乗り、ロスへと旅立った。だが、そこにはやっぱりあれがあった。

ガイドブックの片隅にロスには有名な競馬場が3つあるとの記述を見つけたのは滞在最終日の前夜。ハリウッドパークデルマーサンタアニタ。ハリウッドでユニーバーサルやワーナーのスタジオを見学に訪れていたのに、なぜハリウッドパークの名がすぐに思い浮かばなかったのだろう。競馬ファン失格。ともかく、ネットカフェで調べてみると、この時期はサンタアニタで開催が行われているという。もう行くしかない。ホテルのあるダウンタウンからサンタアニタまではハイウェイを北東へ飛ばしておよそ40分。タクシーを捕まえて、一路、競馬場に向かった(片道60$ほど)。

何万台のスペースがあるか分からない駐車場を進むと、ライトグリーンの明るいスタンドが現われた。入場料を払い場内へ。何とも牧歌的な雰囲気。カウボーイハットを被ったオヤジたちがビール片手にパドックを囲む。 4ドル50セントの詳しいレーシングフォームを手にしている人は少数派で、簡単な出馬表やレーシングプログラムを眺める人のほうが多い。馬は装鞍所、パドック、馬道とファンの手が届きそうなところにいる。騎手もファンと談笑しながら歩いている。日本なら中央より地方に近い感じだが、カラッと乾燥した気候のなせる技か、賭博場特有の臭いがしない。

明るいイメージのスタンド入り口 1周1609m。雄大なサンガブリエル山脈を臨む

レースは序盤からガンガン飛ばす ビールを飲みながら観戦も最高

サンタアニタ競馬場は1934年につくられた。最近、サンタアニタの名前を世界中に思い起こさせたのが映画「シービスケット」だ。無名のシービスケットが挑んだのがサンタアニタハンデだった。今でもパドックの中央では威風堂々としたシービスケットの銅像が後輩たちを見守っている。馬券は単複、馬単、3連単、4連単、それに重勝式がある。バウチャー式の券売機が主流だが、門外漢の私はキャッシュの窓口のお世話になった。マークカードを差し出しても、口頭で伝えても良い。「10番はスクラッチになってるけど、他の馬にする?」など、親切に教えてくれるのが嬉しい。

第1レースの発走は午後1時。最終の第8レースが4時40分だ。英語も堪能でなければ、海外競馬通でもない私が直面したのが、レーシングフォームの難解さ。着順がどれかすら分からない。図々しく見知らぬ人に訊ねながら、どうにか目を通す。しかし、基準タイムも脚質も分からなくては予想のしようがない。 Wild Again とか Gulch とか、とりあえず知ってる種牡馬から買ってしまう次元の低さだ。数字はからっきしで、オッズも慣れない。我が国風に直せば、1は200円、1-5は120円、 7-5は240円…といった具合。1、2レースとかすりもせず、 3レースは休憩。何とか一度は払い戻しを受けたいものだ。

迎えた4レース。人気頼みで3番 Paddy Murphy の単と馬単流しで勝負。このフォレストキャンプ産駒は、ガンガンとスタートからアクセルを踏んでいく。アメリカ競馬は飛ばしまくってゴールまで持たせるか、ガソリンが切れたら終わりという、ある意味、至極明快な競馬だ。私の3番馬は失速しながらも、ハナだけ差し馬の猛追を凌いだ。アメリカ競馬初的中! 馬単(EXACTA)は10倍強、単は9-5で280円ほど。超弱気の1ドル勝負だったが、6ドルの投資で17ドルの払い戻し。さあ、これからガンガンいきましょう!

と、そうは問屋が卸さないのは日本と同じ。欲をかいて3連単(TRIFECTA)を狙うが、必ず何かに邪魔をされて外れていく。 4連単(SUPERFECTA)なんて、とんでもないな。英語の場内実況はよく分からないが、私の馬券を粉砕しながら突っ込んできた馬とともに発せられた、この雄叫びだけは聴き取れた。「ケント・デッザーーーッモ!!」ここで会ったが地獄のサンタアニタ3丁目。中山の仇はサンタアニタで返せよ。と、思っていたのに、 6レースで出走していたのを見忘れ。私の3連単3頭BOXが並んで入線するのを嘲笑うかのように、先頭をぶっちぎる「ケント・デッザーーーッモ!!」。

結局、最終レースまで当たることはなく、夕暮れの美しいサンタアニタ競馬場を後にすることになった。この日は金曜日ということもあって、観客の混み具合もそれほどでなく、ゆっくりしながらアメリカ競馬を楽しむことができた。人も雰囲気もアットホームという表現がぴったりだった。日本人の姿はなかったが、ディズニーランドやユニバーサルスタジオといった定番の観光スポットだけでなく、ロスを訪れた際はぜひ競馬場にも足を向けることをお奨めしたい。開催は年間を通して、3場の持ち回りで行われている。

落ち着かせるため帯同馬が必ずつく パドックのシービスケット像

唯一の当たり馬券。なさけなや。。。 口頭&マークシート窓口

ケント・デザーモはこの日2勝 ファンの間を通ってコースへ

※ささやかなお土産としてサンタアニタのネーム入りボールペンを買ってきました。もし、ご所望の方がいらっしゃれば、拙サイトへのご感想をお書き添えの上、メールでお知らせください。進呈いたします。応募者多数の場合は抽選にさせていただきます。(2月15日〆切)

>>メール

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コメント

シービスケットの活躍した競馬場ですか、まったくもってうらやましいことです。ロスに出かけるとして競馬が開催されているかどうかも確認が必要ですね。ブックメーカーがいるとか聞いた事があるのですが、窓口と配当が違うのでしょうか。サンタアニタのネーム入りボールペンの抽選に参加させてください。賭け事には、すべてのめり込まずにはいられない性格で・・・

投稿: セントレア | 2006.02.06 18:14

初めまして。
私も昨年の夏アメリカ西海岸の競馬場(デルマー)に行ってきました。
アメリカの競馬場はのどかな雰囲気ですよね。
懐かしくなってコメントしちゃいました。
もし、良かったらブログ見てください。

投稿: katochan | 2006.02.06 23:06

>セントレアさん ブックメーカーはどこにいたんだろう。よく分からなかったです。ボールペンの件はメールいただければと。 > katochanさん デルマーもすばらしいですね。アメリカ競馬、私も好きになりました。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2006.02.10 12:17

サンタアニタ、羨ましいです。いつか絶対に行きたいです。「シービスケット」は未見です。ボールペンお願いします。

投稿: t@shi | 2006.02.12 20:36

>t@shi さま 当選ですのでメールください。セントレアさまも。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2006.02.17 13:53

今さら!!といわれそうですが「シービスケット」にハマってしまいました。
ネットで調べていると・・・・こちらにたどりつきました。
英語・・・ちょっとしか話せませんが、
行けますかね・・・アメリカの競馬場・・・。

投稿: バンビ | 2008.09.28 00:00

英語ができなくても競馬はできます。ほら、私が経験者ですから。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2008.10.09 07:12

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受信: 2006.02.06 18:16

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