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2006.01.02

2006年 地方競馬のグランドデザインを描け

NAR(地方競馬全国協会)の解散、再編という衝撃的なニュースが飛び込んだのは去年11月のことだった。政府の特殊法人改革の一環として、NARに代わって地方競馬を主催する自治体による地方共同法人を設立する方針が明らかにされた。これまで地方競馬は主催者間の連携が上手く行かず、それが結果として収支を悪化させる原因にもなっていた。そのため、NARより強い権限を持つ地方共同法人をつくることで、停滞気味の地方競馬改革を推し進めようというのだ。期待されるのは地方競馬運営の一元化だ。

昨年度は高崎宇都宮競馬が廃止され、笠松競馬も存続か廃止か、瀬戸際の攻防が行われた。依然として地方競馬の業績は厳しい状況で、このまま手をこまねいていれば、名古屋金沢高知といった小さな競馬場は数年の内に廃止へと追い込まれるだろう。主催者が積極的な改革に乗り出しているとは言え、北海道岩手といった巨額の赤字を抱えている競馬場も安穏とはしていられない。自治体財政が悪化したなかで、競馬廃止は魑魅魍魎とした政治抗争の道具に祭り上げられているのだから。さらに風説では10年以内に地方競馬を全廃する動きもあるというから驚きだ。

地方共同法人の成否は、どれだけ主催者が権限を委譲して改革の大鉈を振るえるかにかかっている。累積赤字、売り上げ額、レースレベル、そして競馬を存続させようという意思は、主催者ごとにバラバラだ。馬産地を抱える北海道、大商圏を持つ大井、試験的存続中の笠松とでは、思惑が異なって当然だ。とりわけ、連携して経営基盤を確立させ、独自の電話投票システム(SPAT4)も持っている南関東4場は経営権を渡すことに抵抗するだろう。共同法人設立のための出資すら拒否する主催者も出てくるかもしれない。十把一絡げに地方競馬と括れないところに難しさがある。

だが、どのような形にせよ改革なければ、地方競馬は行き詰まる。一昨年、ライブドア参入で盛り上がった企業との公益法人設立は全く進展がない。先月27日にはソフトバンクD-net運営会社の株式を全取得しており、民間参入はソフトバンクによるネット販売、ネット中継に留まることになりそうだ。地方共同法人は改革の最後の砦になりつつある。クラス編成の統一化、レース日程の調整、馬・施設の共同資源化(ブロック化)、手をつけなければならないことは山ほどある。これを為し得るのは南関東を例外としない強力な地方共同法人だけではないか。

一方、中央競馬と分離した地方共同法人は地方競馬の切り捨てだとの声もある。馬・施設の共同資源化は即ち、不採算競馬場の閉鎖へとつながり、レース日程の調整は開催日の減少とイコールだ。業務の効率化低コスト化リストラなくしてはありえない。どの競馬場を存続させて、どの競馬場を潰すのか、修羅の判断さえ国は地方に丸投げしたというのである。 3000億円の国庫収入のあるJRAを別途温存するのは、官僚による利権確保という見方も最もではあるが、大局的な政策判断としては間違ってはいない。一部の勢力が画策している「中央の売り上げで救済資金を賄う」などという幻想は早く捨て去るべきだ。

「地方のことは地方でケツを拭け」 この既定路線はご破算にはなるまい。ならば、急務になるのは、地方競馬に携わる関係者、ファンが最大限、幸福になるような競馬界のグランドデザインを描くことだ。一昨年の廃止騒動の際、火事現場を見ながら「まず長期的なヴィジョンを考えろ」と主張していた人々を含め、この1年以上、表立って地方競馬のグランドデザインが議論されているのを見た試しがない。魅力ある地方競馬にしていくためには、どんなダイナミックな改革が求められるのか。主催者、有識者、ファン未来図を考える、2006年はそうした年にしなくてはならない。

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