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2005.01.11

前略・野元賢一さま 難解コラムが分かりません

日経運動部きってのベテラン競馬記者、野元賢一だが サラブnetの連載だけはいただけない。主張云々ではない。論旨が不明瞭だったり言葉が難解だったりで、さっぱり意味が分からないのだ。しかも、不必要に長い。日経本紙の記事はこのようなことは皆無だから(そうだったら新聞記事として成り立たないし)、ネットでは思いつくまま筆に任せて書き殴っているとしか思えない。例えばコスモバルクのダービー挑戦について書いた「敗者の作法を巡って」。

野球やサッカーに引き寄せて言えば、日本の競馬は、「リーグが免許を出した人」から監督を選ぶことを義務付けられる。しかも、免許は常に必要最小限の数しか発給されない。外きゅうとは、物理的には「競馬場・トレセン外施設からの競馬への参戦」だが、リーグの免許を受けた監督が施設を運用するのなら、単なる「施設の多様化」である。 …選手の高い人件費に頭を悩ませる有力サッカークラブのオーナーがいた。彼は人件費圧縮の一手として、自らが実質的に指揮し、薄給の選手・監督で固めた第二チームを辺境の地に旗揚げした。チームはよく戦いトップリーグに昇格。一時は優勝争いを演じたが、最後は選手層の薄さや経験不足に加え、アウェイ戦の連続で消耗して力尽きた。 …多くの地方馬と関係者が「良き敗者」に見えたのは、外在的な制約の中で、最大の努力を払っていることが感じ取れたからである。自ら拘束衣を着るような戦いで敗れた今回のケース。あくまでも個人的な思いでしかないが、苦い後味はしばらく消えそうにない。 (敗者の作法を巡って コスモバルクのダービー)

私が野元氏のコラムを読むときは、同じ箇所を二度三度と反芻しながら しか先に進めない。もちろん、鋭い指摘があるかもしれないと思うから読むのだが、途中で投げてしまうこともしばしばだ。抜粋した上記の文章で言えば、①理解しやすくなるはずの比喩が役立っていない、 ②結局、まとめの文章で何が言いたかったのか分からない、というのが難点だ。一般に記事は中学生でも十分に分かる程度の文章が良いとされている。無理に難しい言葉を使うのは、自分がそのことを理解しきれていないか、相手のことを考えずに一方的に主張を展開しているかのどちらかだ。野元氏は恐らく後者だろう。つい先般、下記の書き出しで始まる更新された最新コラムも難解だった。「1年の暦で、他愛のないウソが許される日は4月1日。だが、昨年末で81年の歴史に幕を閉じたはずの群馬・高崎競馬周辺で、この年末年始にかけて、奇妙な構想が持ち上がった…」 “競馬存続”のダシにされる馬たち と題されたものだが、とにかく話があっちへヨタヨタ、こっちへフラフラと迷走を続けるのだ。 段落ごとに文章を抜粋して整理しながら、野元氏の言わんとしているところを探ってみよう。

①高崎競馬周辺で奇妙な構想が持ち上がった。新高崎競馬を開催しようと言うのだ、 ②実現の見通しは皆無に等しい、 ③新高崎競馬応援団は愚かしいパフォーマンスから出発した。 ハルウララで動員を図った、④安西氏にとって応援団は救いの神だった。宗石調教師は和解に応じてしまった。最低の結末である、 ⑤ハルウララは所有関係の不透明さという、地方競馬にとってのパンドラの匣。本質はもっと危ない話、 ⑥競馬場が廃止されると馬が大量処分されるという虚構は、三者の台所事情を覆い隠す。競馬場の廃止と馬の処分は全く関係がない、 ⑦食用の輸入馬は94年から2002年でほぼ倍増している。引退した競走馬の食肉転用は相当に減った、 ⑧不幸な馬の数はバブル期との比較で6割ほどに減った。生産頭数が減った最大の要因は地方競馬の衰退である、 ⑨馬の不幸が最大化したのはバブル時期。好況期に安西氏は有名馬を追い回していた、 ⑩小規模競馬場は競走馬の側から見れば「食肉処理場の待合室」、 ⑪馬の運命に心を痛めるなら問題にすべきは生産界。 過剰生産の構造を改めれば不幸な馬は減る、⑫馬の処分の否定は競馬の否定と等価 。競馬の廃止が持ち上がると馬をダシに世間の同情を引こうとするのは最悪、 ⑬競馬廃止のマイナスは雇用機会の喪失と有能な人材の流失。硬直した免許制度を改革することを訴えていくしかない、 ⑭ご都合主義的に馬をダシに使う、見苦しい行為だけはやめて欲しい。

一段落で一文かそこらを抜粋してもこの長さである。ちなみに本文は4294文字、原稿用紙11枚分にもなる。内容は新高崎の実現可能性から始まって、安西氏と宗石師の和解批判、ハルウララブームへの警鐘、引退馬の食肉転用事情、生産過剰の問題、競馬と馬の処分の関係、競馬廃止に伴う人材流失防止の必要性、まとめ、と連なる。イヤハヤ、競馬界のジェットコースターコラムだ。目が回って仕方がない。 ⑥段落で「三者の台所事情」とあるが、大量処分と新高崎の懐具合がどう関係あるのか全く分からない(恐らく無関係だ)。 ⑦~⑨段落では地方競馬が衰退したから処分される馬が減ったという論旨だが、これについて野元氏は賛成なのか、反対なのか述べられていない。安西氏についても、「高知競馬を追い込むような行為は大量処分につながる。すなわち引退馬の処遇を盾にしてウララを返さないのはおかしい」というのなら良く理解できるが、「バブル期にヒシアマゾンを追いかけていたから引退馬をダシに使うな」というのは説得力が弱まる気がしてならない。競馬が圧倒的多数の無名馬に犠牲を強いるものであることは全く同感だが。

頭の悪い私が思うに、野元コラムは論点が多すぎる。さらに野元氏のスタンスや結論を導き出さないうちに、次の論点へ移るので読んでいるほうは消化不良になってしまう。視点そのものは一流の競馬記者だと思うので、非常にもったいない気がする。今回のコラムでも「高知競馬はハルウララと手を切るべき」「安西氏は引退馬の余生問題について言う資格はない」と野元氏が考えていることは分かった。しかし、地方競馬を再生させる手だては何なのか、必要悪とも言える地方の名義貸しをどうすべきなのか、引退馬の処遇は今のままで良いのか、生産過剰をどう抑制すべきなのかなど、自身が投げたボールに対する本質的な議論には踏み込まれていない。

最近の野元氏の主張をソラで思い返すと、「安西美穂子と大月隆寛とホリエモンが嫌いだったな」という印象ばかり。はっきりとモノを言える競馬記者は多くないだけに、ぜひ野元氏には素人にも分かるような平易なコラムを書いて頂けないだろうか。新聞記事を拝読すれば、明快な文章もお手の物だと感じるのだが。お気を悪くされたらご容赦願いたい。これは野元コラムを楽しみにしている、一愛読者からのお願いである。

追伸:
安西氏の行為と新高崎の動きを同列に論じるのは事実を見誤ることになりかねません。

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コメント

 いつもお世話になっております。
 野本氏の記事について私なりにも見解を書かせていただきました。
 なにぶん長い文章ですし、インターネット上でもあり読みにくいため本文内容を把握しきれていないままの部分もあるかもしれませんが…

 本紙記事はこんな方じゃないのにどうしちゃったんでしょうね。

投稿: Stefan Johansson | 2005.01.11 19:10

引退馬の余生を自分の会社の金儲けに利用するなという主張は賛同できますが、もうちょっと読みやすく書いてくれないかということなんですよねぇ。新高崎に部分に関してはちゃんと取材して書いたのか疑問です。

投稿: がとー@管理人 | 2005.01.12 14:07

日経・野元氏関連のエントリ。氏の著書に関する当ブログの記事中で引用させていだだきました。ちょっと前の記事だと、トラックバックを送信できない?ため、このコメントにて失礼します。

投稿: 山城守 | 2005.07.01 00:38

すみません。以前、スパムトラバを受けたときに閉じてしまったんです。その後、ココログの操作画面で一覧表示から削除できるようになったので、戻さないといけいないですね。

投稿: ガトー@管理人 | 2005.07.01 13:48

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