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2004.12.31

現地リポート 吹雪と怒号に消えた高崎ラストラン

「遙かなる夢舞台の終焉」地元専門紙が銘打った第33回高崎大賞典のキャッチコピーだ。 12月31日、時代に翻弄され続けた高崎競馬が幕を下ろした。 東京から在来線と新幹線を乗り継いで競馬場に到着した頃、 雪は降り始めていた。最終日は晴天でとの願いは叶わなかった。 この日、競馬場を訪れたファンは普段の3倍の6500人。81年間、 この地で愛された競馬に別れを告げにきていたのだろう。 年配者だけでなく、家族連れやカップルなど、一瞬、一瞬を惜しむ人々でスタンドは埋まっていた。

あいにくの天候にもたくさんのファンが押し寄せた 夢舞台となるはずの高崎大賞典だったが…

着いてすぐの6レース、 サクラチトセオー産駒のノブシテイオウから先行馬への流し馬券。 脚抜きの良い馬場で前が止まらないはずという程度の素人予想だった。 レースはノブシテイオウが楽勝、2着に人気薄のワカオライデン産駒、ジャスピライトが逃げ残って 馬連5650円的中。 幸先が良い。この儲けは最終までに使い切ることを決めた。 レースの合間にかきこんだカレーも素朴で美味い。 7レースは若駒さよなら特別。高崎最後の2歳戦だ。 再びヒモ荒れを期待して人気の2頭から五月雨馬券。 しかし、テツノクリーク、インカラリックで堅く決まってハズレ。

気になる雪は強くなるばかりだった。 コースの前で写真を撮っていると、あっという間に身体は白く覆われてしまった。 AB1普通 ・サラブレッド系一般。ダート1500メートル、馬場は重。 この13時50分発走の8レース で高崎競馬に幕が引かれることになろうとは。 真っ白なコースで馬群を引っ張るのは水野貴史のムーブメイト。 3コーナーから人気のファーストルーチェ、ブラックベスがまくる。 直線、この7枠両馬が壮絶な叩き合いを演じる。 6キロの斤量差を活かして、ゴールではファーストルーチェがクビだけ先着した。 鞍上は高崎唯一の女性騎手の赤見千尋。 故障したライトシーザーを丸山侯彦が下馬してゴール前を引いていく。

7Rパドック。中央は金井騎手のインカラリック 高崎を代表する丸山侯彦騎手

雪は次第に強くなっていく 8Rのゴール前の叩き合い。これが最後のレースに

「降雪のため、9レース以降は開催中止となりました」あまりにも酷なアナウンスが響いた。 高崎大賞典だけでも発走時間を繰り上げることができなかったか、 せめて除雪車を入れながらしばらく様子を見ることができなかったか。 最後なのだ、高崎は。ファンは待ってくれたはずだ。 急遽、行われたジョッキーによるファンへの別れの挨拶。 馬場に騎手全員が整列するなか、木村芳晃が代表で前に出た。 「俺はまだまだやりたかったんだ。 今日だって高崎大賞典を勝つつもりだったんだ」声援に応えた木村は怒りに満ちていた。 ファンを交えた三本締め、 勝負服やサインボールをスタンドへと投げるジョッキーたち。 しかし、その表情はセレモニーとは思えない憮然としたものだった。

そして、主催者を代表して群馬県側の挨拶。警備のためだろう。 木村の時にはいなかった県職員がファンの前に割り込んだ。 凍てつく寒さのなかファンは雪まみれになりながら、最後の儀式を見守っていた。一方、 県のお偉方は部下に傘を持たせたまま、空々しい文句を吐き重ねた。 ファンや関係者の気持ちを無視し続けた群馬県の姿勢が象徴されている気がした。 馬場には新高崎競馬応援団の「境町新競馬場で会いましょう」の横断幕が掲げられ、 「誰が競馬場を潰したんだ!」「堀江に参入させろ!」との怒号が聞こえた。 だが、それは散発的なものに過ぎなかった。 競馬場を出ると、関係者が火をつけたのだろう数発の打ち上げ花火が自暴気味に開くのが見えた。 やりきれない、このままでは終われない。 胸に何かがつかえたような気分に襲われたが、目の前にあるのは 確かに高崎競馬が終焉したという事実だけだった。

悔しさを隠せぬ木村騎手 新高崎競馬応援団は存続アピール

群馬県の経営責任はどこに行ったのか マスコットのタッキくんもファンに別れ

追記:
場内では新高崎競馬応援団 によるファンクラブの会員募集活動が行われていた。 新競馬場設置は遙かな道のりが予想されるが、 困難を乗り越えて前に進んでいくことを期待したい。 斬新なアイディアを生み出せば、思わぬ展望が開けるかもしれない。 既存の人気馬や地方競馬を破壊した人に寄りかかる安易な方法で、 ファンの支持を失う軽率な行動にだけ気をつけてほしい。良いブレインが現れればとも願う。

再追記:
応援団ブログに「ハルウララ号は、参加いたしませんので、ご安心下さい」との管理者の コメントが掲載された。

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コメント

あけましておめでとうございます。
高崎競馬最後の開催。記事を読ませていただきましたが、ファンや騎手・厩舎関係者の無念が伝わってくるようで、とても切ない気持ちです。赤字云々を議論する前に、結局、この主催者のやる気のなさが、競馬にとって致命傷だったということなのでしょう。
一方、私が行った水沢競馬では、大晦日、ファン大感謝祭と銘打って、来場したファン全員に缶コーヒーとガムを配ったり、スープをふるまったりしていました。ささやかなサービスに過ぎませんし、ハッキリ言ってもらって嬉しいという程のモノでもありませんが(笑)、とにかく主催者側の目線がファンのほうを向いていることは、評価できると思います。水沢に行くといつも感じるのですが、とにかくこの競馬場関係者の皆さんは、誰もかれもがほんとうに親切です。地域性もあるのでしょうが、ファンを大切に扱ってくれるあの姿勢があるかぎり、岩手競馬もまだまだやれるのではと感じています(甘いかな?)

ともあれ、今年もよろしくお願いいたします。

投稿: 山城守 | 2005.01.01 10:40

>山城守さん 明けましておめでとうございます。主催者がやる気を失えば、調教師や騎手がいくらがんばれど仕方がありません。昔はそれでも良かったんでしょうが。。。岩手は今年が正念場ですね。良い年になりますよう。

投稿: がとー@馬耳東風 | 2005.01.01 23:54

いつも応援ありがとう御座います。スペシャルゲストのもう一方は、ウララを、こよなく愛する53歳の、最高のホースマンの方です。1月3日9時頃に、羽田到着予定です。

投稿: 新高崎応援団 | 2005.01.02 02:20

こちらこそお世話になります。4日のイベントの成功をお祈りしています。

投稿: がとー@馬耳東風 | 2005.01.04 01:01

 本日の境町トレセンでのイベントについて書かせていただいております。
 今後もいろいろ紆余曲折はあるかと思いますがどうぞ温かく見守っていただければと思います。

投稿: Stefan Johansson | 2005.01.04 23:58

Stefan Johanssonさん お世話になってます。5月の競馬場開設、楽しみにしています。拙ブログとしても応援させていただきます。

投稿: がとー@馬耳東風 | 2005.01.06 03:11

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