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2004.06.21

競馬は馬券だ! 百花繚乱予想サイトⅠ
<競馬サイトの夜明けを綴るNo.4>

個人サイトのなかで最も多いのが、 馬券予想をメインテーマにするものなのは間違いない。開設者は、 たまたま的中が続いたときに予想を公開しようと思ったかもしれないし、 独自の理論を世に問いたいという思い入れがあったかもしれない。 競馬は予想ファクターが無数に入り交じるギャンブルだ。 だから、タイム、展開、血統、騎手、サイン、消去法など 人それぞれの予想方法があり、オリジナルの予想サイトを作ることができる。 いずれにせよ、ファンが見たいのは最終的な買い目ではなく、 結論を導き出すまでのプロセスだ。そこに予想のヒントがあり サイトを訪れる理由がある。しかし、残念ながら、 簡単なコメントを書き添えただけの 「買い目以外にコンテンツにするものがない」というだけのサイトも少なくない。 そうしたサイトは人も集まらないし、制作者のモチベーションも続かない。 いちばん手軽に作れるのが予想サイトであるとともに、 いちばん運営が難しいのも予想サイトであると言うことができよう。

正統派予想サイトという分類が許されるなら、 96年、秋の天皇賞でバブルガムフェローに敢然と◎を打ち、 鮮烈なサイトデビューを飾った 「ヒロ中江の券道一直線」 を真っ先にあげさせていただきたい。 02年に忽然と姿を消すまで、1週1レースの予想だけでミリオンヒットの支持を得て、一時代を築いた人気サイトだ。 券道一直線の凄さは圧倒的な文章量にあった。 文字数は1レースあたり2000~3000文字にものぼり、 パソコンの画面は文字だけで埋め尽くされるほどだった。 決して奇をてらうことなく、前走の敗因や血統など ピックアップした馬について分析を加え、 最後に俯瞰した目線から、本命馬の選定理由を説明していく。 そのオーソドックスな手法と、 安定感のある高い的中率がファンの信頼感を得た大きな理由だ。 例えば99年は52レース中、24レースが的中しているが、 この年だけが飛び抜けているけではないから恐れ入る。 ブログ隆盛の時代にあっても、 これほど圧倒的なテキストサイトはお目にかかったことがない。

同じく96年秋、券道一直線より3週早くスタートした 「良馬くんと悪馬ちゃん」 も正統派予想と言えるだろう。 全出走馬の買い材料と不安材料をコメントするなど、何しろ正直で良心的な構成だからだ。 タイトルにもなっている「良馬(りょうま)くんと悪馬(あくま)ちゃん」のコーナーでは 人気よりも頑張った良馬くんと人気よりも頑張れなかった悪馬ちゃん注目。 万馬券の片棒を担いだことのある点などポイント化し、 制作者の自信度を添えて、良馬くんと悪馬ちゃんを2頭ずつあげる。 こうした正統派予想サイトの命は懇切丁寧な分析と、 ファンを納得させられる視点の鋭さを持ち合わせているか否かにある。 そういう意味合いでは、カミソリのような見解を発表する 「MAIN OFFENDER」(00~04年)、個々の馬のコメントが詳しい 「Main Race」(01年~)、 「炎の3点勝負」 (99年~)、 「週刊攻馬」(99~03年) も白眉な存在だ。 正統派サイトは競馬観や文才が非常に問われるだけに、 制作者の緊張の糸が切れると行き詰まるのも早い。 輝きを放ちながら、一瞬で消えるサイトが多いのもそのためではないか。 4年間続いた中堅サイト 「サラブの王様」 (00~04年)は無期限の休止を決めた際にこう記している。 「これまで時間を割いては何とかHPを維持してまいりましたが、精神的にも体力的にも限界に近い状態になってしまいました。予想においても最近は雑になり意気込みが無くなってきていたのは日々自身に感じ取っておりました」 サイトをつくることは易しいことだ。それを維持、運営していくことのほうが難しい。

一方、パソコンソフトを用いて、 詳細なデータから予想にアプローチするサイトも次々に登場した。 なかでもTargetを使った 「蛸坊主の赤鉛筆」(00年~) はその草分け的存在であり、 もっともアクセスのあるサイトである。 99年、「ハズレても、読者にとって予想の糧となる情報提供を目指して」 メールマガジンで発行され始めた蛸坊主の赤鉛筆は、 Niftyの 競馬フォーラムにも掲載され、 「競馬の勝ち馬は偶然ではなく合理的に決まるもの」という 説得力のあるデータ予想は他の追随を許さなかった。 例えば02年のNHKマイルCを紐解くとこうなる。 まずは1ハロンごとのラップから 「ニュージランドTとNHKマイルCは同じ芝1600メートルでもパターンが違う」 ことを解析。NHKマイルCは2F~3Fが異常に速い傾向にあることから、 似たようなパターンで好走していたテレグノシスとタニノギムレットをピックアップ。 同様のラップ分析から台頭可能と判断したアグネスソニックを加えた3頭に 重い印を打っている。もちろん、馬場状態も加味した上での合理的結論だった (結果は1着テレグノシス-2着アグネソソニック-3着タニノギムレット)。 豊富なデータと、透明性ある思考は優秀なデータベースがあればこそだろう。 Targetを利用したサイトには 「RACING BOOK」 (98年~)も有名だ。

他にも、玉石混合なれど、ソフトを活用する予想サイトは後を絶たなかった。 Targetに次ぐ支持を集めたのは、 西田式スピード指数を計算するものではないだろうか。 拙「馬耳東風 競馬データ予想」(96年~)は消去法と組み合わせたものだが、 「馬なり夢競馬」 (97~00年)、 「JACKPOT」 (98年~)、 「とりおやこ’S競馬」 (01年~)はスピード指数を全面に打ち出したものだ。 独自のソフトを用いた予想サイトでは うますぴの 「まっしぃ~んるーむ」 (96年~)、全レースの予想を提供する 「BOX3」「サラブレッドナビゲーター 」 (97年~)、 西田式と保川式を基にした 「ジュピター指数」、西田式に近い独自のプログラムの 「予想屋”Aki”のホームページ」(97年~)、 南関東公営の指数を公開している 「SouKaSILa」(95年~)、エクセルを利用している 「発走30分前!」 (98年~) をあげておく。 デジタル時代の競馬予想は多種多様な理論を生み出している。 次回も引き続き「予想サイト」をテーマにお届けしたい。

前回との更新から間があいてしまいましたが、 予想サイトは膨大にありすぎて、どこから手を付けて良いか分からなかった のが原因です。今回も小史というより、取りとめのない紹介、分類になってしまいましたが、 とりあえず前進ということでご容赦願います。 次回も同じく予想サイトをテーマに、毛色の異なったものを 取り上げられればと思います。それまで、引き続き皆様からの情報提供をお待ちしています。

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